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【64歳オバ記者 介護のリアル】今になって怒りが沸々と…子供の頃、母ちゃんに散々言われた「テメはバガだが!」の言葉

思い出した母ちゃんの「テメはバガだが!」

だけど私はもう子供ではないし、私の作っているご飯を食べて排泄の手伝いをさせている母親は親じゃない。それなのに「母ちゃん」と呼んでいるのは親としてのプライドを守ってやりたい私の親切心だ。それをいいことに、本気で“親ヅラ”する愚かしさを最初は笑っていたけれど、シモの世話って強烈よ。一度やニ度ならともかく、日常的にしているといつしか自分の知らない自分まであぶり出すんだから。

「テメはバガだが!」

介護3か月目のある日のこと。急に思い出したのが子供の頃に繰り返し言われたこの茨城弁だ。標準語に直せば「お前は馬鹿だ」ということだけど「ガギメ」や「ゴジャッペ」とは違って、本気で激怒するときに使う。

「バカ」と言われ続けた子供の頃を思い出し腹の奥底から怒りが!
写真8枚

子供の私が財布を落としたとか、学校でいじめられて泣いて帰ってきたとか、夏休みの宿題が順調にすすんでいるという大ウソがバレたときもそう。この時は「テメはバガだが!」にゲンコツが付いた。

それにしてもなんであんなに怒られたんだろう。

「テメはバガだが!」「テメはバガだが!」

台所仕事をしながらいったん口にしたら、腹の奥底から怒りが込み上げてきて気がつくと「テメはバガだが!」。大声を出していた。

その怒りの火が消えないうちに、「ヒロコぉ。間に合わながったよ。ヒロコぉ」と母親は台所の私を呼んだ。口調に申し訳なさは微塵もない。「早くしろ、何やってんだ」と言わんばかり。で、ポータブルトイレに座った母親の股間を手動シャワーで洗いながら私は静かに聞いた。

オバ記者の母親
怒りが収まらず母ちゃんに質問をぶつけた
写真8枚

「母ちゃんよ。さんざん『テメはバガだが!』と怒鳴った娘に世話になるのはどんな気分だ?」と。

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