ココロのケア

認知症と似た症状の「老人性うつ」、対策には大豆食品や生牡蠣にレモン、青魚を【医師監修】

DHA・EPAで脳内の血流を改善

さらに、宮島さんが脳を元気にする食べ物としておすすめするのが青魚。いわしやあじ、さば、さんまなどの青魚にはDHA、EPAという不飽和脂肪酸と呼ばれる脂が豊富に含まれ、脳内の血流改善に効果的であるためです。脳の血流がよくなると、うつによって動きが鈍くなっている心と体をほぐしてくれる効果があるそうです。

「もう少し専門的に説明すると、これらの不飽和脂肪酸はオメガ3系の脂で、血液をサラサラにしてくれる働きがあります。同じ動物性脂肪でも、豚や牛の脂は飽和脂肪酸で、血液をドロドロにするだけでなく、血管に溜まって動脈硬化の一因にもなります。

ところが、青魚の脂は血液をサラサラに変えます。しかも、青魚の不飽和脂肪酸には、血管に付着したコレステロールを掃除して、血管をやわらかくする『血管の若返り』効果が証明されています」

ザルにのったアジ
青魚にはDHA、EPAが豊富(Ph/photoAC)
写真5枚

同じ動物性脂肪でも、豚や牛の脂なのか、青魚の脂なのかで、まったく違う働きをします。

「さらに、青魚に含まれるDHAは脳細胞の元にもなるといわれています。なぜかというと、脳は水分を除くとその半分は脂質でできており、そのうち4~5%がDHAでできているからです。つまりDHAをとることは、脳細胞を作ることにつながるわけです」

◆教えてくれたのは:精神科医・宮島賢也さん

白衣を着た男性
精神科医の宮島賢也さん
写真5枚

みやじま・けんや。精神科医・産業医。防衛医科大学校卒業。研修中、うつ病の診断を受ける。自身が7年間抗うつ剤を服用した経験から「薬でうつは治らない」と考え、食生活と考え方、生き方を変え、うつ病を克服。その経験を踏まえ、患者が自ら悩みに気づき、それを解決する手伝いをする方向へと転換。うつの予防と改善へ導き、人間関係を楽にする「メンタルセラピー」を考案する。著書に『メンタルは食事が9割』(アスコム)など。

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