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猫のマーキング、やめさせることはできる? 過剰になる理由は?獣医師が解説

マーキングを一度した場所に対する対策

スプレー行動が現れる、増える原因に対するアプローチを紹介しましたが、猫がスプレー行動を取った場所に対して物理的なアプローチをすることにも、一定の効果があります。

「同じところにマーキングを繰り返さないように、おしっこを引っかけた場所はなるべく素早く丁寧に清掃して、汚れやニオイがついたままにしないことが大切です」

猫は食事を取る場所では排泄行動やマーキングをしない

また、猫は食事を取る場所では排泄行動やマーキングをしない傾向があるので、マーキングした場所をしっかり掃除したあと、そこで食事を与えるようにすると、その場所で再びマーキングをする確率は下げられそうです。

猫
マーキングした場所をしっかり掃除したあと、そこで食事を与えるようにする(Ph/イメージマート)
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「猫がそもそも、その場所に行きたくなくなるように、一時的に床にアルミホイルを敷いたり、両面テープを貼ったり、ハーブなど猫の嫌がる香りのする鉢を置いたりするのもいいと思います」

消臭スプレーなどを使う場合には、ペットの健康を害しないものを選ぶ必要があります。

「スプレーを吹きつけたところをペットがなめてしまうことがあるので、消臭成分としてアルコール(エタノール)が入ったものは避けてください。酵素や環境微生物、お茶や柑橘類に由来する成分などを消臭成分としているスプレーも数多く市販されているので、そうしたもののなかから選んでください。臭い全般に効くものもあれば、特定のニオイによく効くものもあるので、猫のおしっこ臭に強いタイプを選んでもいいですね」

◆教えてくれたのは:獣医師・山本昌彦さん

獣医師・山本昌彦さん
獣医師・山本昌彦さん
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獣医師。アニコム先進医療研究所(本社・東京都新宿区)病院運営部長。東京農工大学獣医学科卒業(獣医内科学研究室)。動物病院、アクサ損害保険勤務を経て、現職へ従事。https://www.anicom-sompo.co.jp/

取材・文/赤坂麻実

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