不調改善

75歳医師が教える、長生きするためにおすすめ3つの食材と不足しがちな野菜を手軽に食べる方法

グリーンの背景の前に立つ男性
中高年がとるべき食事について教えてくれた医師の鎌田實さん
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50年以上も健康に関する運動を続ける医師の鎌田實さん(75歳)は、中高年の食事は「我慢せず、おいしいものを食べる。でもちょっと工夫する」がベストだと言います。そこで、『医師のぼくが50年かけてたどりついた鎌田式長生き食事術』(アスコム)を著した鎌田さんから、50代以降の女性はどんな食事の工夫をするべきか、詳しくお話を聞きました。

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積極的に摂るべきたんぱく質食材のおすすめ

50代の女性はだんだんと筋肉が衰えてくる年齢です。40歳を過ぎると、毎年1%ずつ筋肉が減っていき、中には“フレイル”を起こす女性が多いです。フレイルとは、筋肉の衰えによって心身の働きが弱くなった虚弱体質のこと。放っておくと要介護へまっしぐらなフレイルを予防するために、筋肉の材料であるたんぱく質を積極的に摂りましょう。

メガネをかけた男性
フレイルの予防について教えてくれた鎌田さん
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お好み焼きが健康的になる「粉豆腐」

たんぱく質というとささみや鶏むね肉のイメージですが、鎌田さんが愛食しているたんぱく質食材は、高たんぱくヨーグルト、粉豆腐、きな粉、かにかまなどだそうです。

「中でも粉豆腐は豆腐を粉末にしたものなので、粉物の調理にも使うことができます。私自身はお好み焼きに使うことが多いです。お好み焼きは主に小麦粉で作られますが、小麦粉に含まれるグルテンには腸内で炎症を起こすこともあると言われています。粉豆腐ならば、そのような問題は起こらないうえに、栄養も豊富なんです」(鎌田さん・以下同)

粉豆腐をスプーンですくっている
鎌田さんがとくにおすすめするたんぱく質食材の粉豆腐(Ph/photoAC)
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粉豆腐には、レジスタントたんぱくという悪玉コレステロールを減らし、食後の中性脂肪や血糖値の上昇を抑える栄養が含まれているそうです。粉豆腐は市販品もありますし、高野豆腐をすりおろしても作ることができます。

手軽に取り入れられて栄養価が高い「卵」

気軽に摂れるたんぱく食材として、鎌田さんは卵もすすめています。

「手軽に調理ができますし、焼いても茹でても生でも、さまざまな食べ方で工夫ができ、食事に取り入れやすいと思います。卵はアミノ酸スコアの高い良質なたんぱく質が7.3gと豊富で、3食に1個ずつ食べるだけで、たんぱく質の摂取推奨量(50g)の約3分の1が摂れるんです。さらに、卵は筋肉だけでなく、骨、血管、脳、腸にもよい効果を与えるので、毎日食べるといいですよ」

卵のほかにも、前述の高野豆腐に加え、納豆とブロッコリーも、栄養効果の高い“最強の食材”に挙げられるそうです。

ヘルシーなプレート
卵や納豆、ブロッコリーは栄養効果の高い食材(Ph/photoAC)
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朝夜に飲むのがおすすめの「牛乳」

牛乳というとカルシウムが豊富なイメージですが、たんぱく質摂取にも大きく貢献します。牛乳1杯(200ml)には、乳たんぱく質が6.6g含まれていて、1杯だけで1日あたりのたんぱく質の摂取推奨量の10分の1以上を補えるのだと鎌田さんは言います。

「特に朝夜に牛乳を飲むことをすすめています。忙しい朝も牛乳なら気軽にたんぱく質を摂取できますし、カナダのある研究では朝食時に牛乳を飲むと、食後の血糖値が上がりにくいというデータも出ています。

また、寝る1時間前のホットミルクは、牛乳に含まれるトリプトファンという栄養が睡眠ホルモンの材料になる上に、カルシウムがリラックス効果を生み出します」

牛乳は、低脂肪乳や無脂肪乳でもよいのだそうです。牛乳をそのまま飲むのが苦手な人は、だしとして使う、味噌汁に入れる、煮物の水を牛乳に置き換える、揚げ物の衣を牛乳で溶くなど工夫してみるとよいそうです。コクやうまみが引き出されることで、減塩にもつながると鎌田さんはすすめています。

牛乳みそ汁
牛乳を入れたみそ汁など、工夫次第で牛乳の摂取量を増やせる(Ph/『医師のぼくが50年かけてたどりついた鎌田式長生き食事術』(アスコム)より)
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