不調改善

更年期に気をつけたい「糖尿病」 今すぐ始めたい高血糖を予防する運動&食事法

高血糖を予防する方法

それでは、高血糖の予防において重要な、内臓脂肪の代謝、ストレスの発散、食生活の改善について、紹介していきます。

生活習慣の改善

適度な運動は内臓脂肪を代謝したり、ストレスを発散したりする効果が期待できます。

内臓脂肪の代謝には、有酸素運動を中心に行うことが有効です。それには、少なくとも週に10エクササイズ(10メッツ・時)以上(厚生労働省「内臓脂肪型肥満」https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-002.html)の運動量が必要です。

「メッツ・時」は身体活動の強度に実施時間をかけたものです。たとえば、分速100m程度の速歩の強度は4メッツのため、10エクササイズ(10メッツ・時)を達成するには週に2.5時間以上歩行する必要があります(4メッツ×2.5時間=10エクササイズ(10メッツ・時))。

ランニングしている女性
高血糖を予防するための運動の目安とは?
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厚生労働省が「健康づくりのための運動指針 2006 ~生活習慣病予防のために~」(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/07/dl/s0719-3c.pdf)」へ掲載している運動強度を基にした、おおよそ10エクササイズ(10メッツ・時)を達成するための各運動の目安時間は以下の通りです。なお、週に10エクササイズ以上であれば、1日の時間が短くても、長くても構いません。

・軽い体操:1日30分×6日(週に180分以上)
・速歩:1日30分×5日(週に150分以上)
・ウェイトトレーニング:1日20分×5日(週に100分以上)
・エアロビクス:1日30分×3日(週に90分以上)
・ジョギング:1日15分×6日(週に90分以上)
・平泳ぎ:1日30分×2日(週に60分以上)

べジファーストを心がける

1日の炭水化物(糖質)の摂取量は250~325g(公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「三大栄養素の炭水化物の働きと1日の摂取量」https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tansuikabutsu.html)が望ましいとされ、それ以上の摂取や、血糖値の急上昇もすい臓の負担となります。

そこで、食後の血糖値の上昇が緩やかになる「ベジファースト」を実践してみましょう。

和定食
食事の順番を意識することで食後血糖値の急上昇を防ぐことができる
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ベジファーストとは、野菜→たんぱく質→炭水化物(糖質)の順に食べる食事法です。野菜に多く含まれる食物繊維ですが、とくに「水溶性食物繊維」には糖質を包み込んで吸収を緩やかにする働きがあります。そこで、食事の最初に食べることで、後から食べる炭水化物(糖質)を効率的に包み込み、血糖値の急上昇を抑えることができます。

高血糖を予防する食材

高血糖の予防には、インスリンの働きをサポートする「クロム」と、インスリンの分泌量を調整する「亜鉛」を摂取しましょう。

クロムは「乾燥あおさ」に、亜鉛は「干ししいたけ」に多く含まれ、どちらもスーパーで一年中入手しやすい食材です。

あおさの味噌汁
クロムが豊富なあおさを食事に取り入れてみて
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クロムと亜鉛は一緒に摂取することで効果が発揮される性質があるため、乾燥あおさと干ししいたけの両方を入れた味噌汁などにして食べるとより効果が期待できます。

また、クロムはビタミンCと一緒に摂取することで吸収率があがります。9〜10月に旬をむかえる「新れんこん」はビタミンCを多く含んでいるので、味噌汁にプラスしてみてはいかがでしょうか。インスリンに関わる機能の効果アップが期待できます。

れんこんの梅和え
クロムの吸収を高めるビタミンCを多く含むれんこん
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なお、玄米やごま、いんげん豆に多く含まれる「フィチン酸」は、クロムや亜鉛の吸収を阻害するため、一緒に摂取するのは避けましょう。

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