ココロのケア

精神科医がすすめる「果物と生野菜中心」の朝食 心と体を健康にするカギはスムーズな「排出」

果物と生野菜で食品酵素を摂取

たとえ肉や魚を生で食べて食品酵素を摂取したとしても、分解する際には大量の酵素が必要に。そこで、食品酵素を効率的に得る方法として宮島さんがすすめているのが、酵素をたっぷりと摂ることができる果物と生野菜中心の食生活です。

「しかも果物や野菜には、ビタミン類、ミネラル、糖質のほか、脂質、たんぱく質、抗酸化成分であるポリフェノール類までバランスよく含まれているものが多くあります。果物や生野菜は、実は体にやさしい『栄養の宝庫』といっても過言ではないでしょう」

野菜と果物
酵素をたっぷり摂るには果物と生野菜中心の食生活が◎(Ph/photoAC)
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果物や生野菜には体に吸収されやすい水分が豊富に含まれている点も、果物と生野菜のおすすめポイント。「果物、生野菜なら、いくら食べてもOK。好きなだけ食べてください」と宮島さん。

「普通は加熱して調理するごぼうでも、生でガリガリ食べました。そして果物もよく食べるようにしました。りんご、バナナ、オレンジ、キウイ、果物であればなんでもよいのです。とくに朝は数種類の果実を用意しておいて、お腹がすいたら食べるようにしていました。我慢しない。これが宮島式食事法の特徴でもあります」

午前中の排出で生理サイクルを整える

果物や生野菜でしっかりと食品酵素を摂取。宮島さんが提唱する宮島式食事法では、午前中を排出の時間ととらえ、特に朝食で果物や生野菜を食べることをすすめています。

「ぼくの場合、朝は果物だけを食べることにしました。毎朝、果実を3~4種類用意して、ほかの食べ物は食べないことにしたのです。用意する果実の種類や量は適当で、たくさん食べることもあれば、バナナだけという日もありました。どんな時間に何を食べるかさえ守れば、量は好きなだけ食べていいのが宮島式。『お腹が減ったら、好きな果物を食べよう』そう思うと心に余裕が出てきます」

毒素の排出で自律神経が整う

体は朝目覚めると、便や尿、体の老廃物といった「毒素」を体外へ出そうとします。この毒素の排出がきちんと行われることで、生理リズムが整い、気持ちよく一日を過ごすことができると宮島さんは言います。

「たとえば、朝起きると痰を出したくなったりします。これも一種の毒素の排出行為であり、体は、こうした排出、排泄行為を通じて自律神経の切り替え(リラックス系の副交感神経から活動系の交感神経への切り替え)をスムーズに行おうとします。朝、すっきり排便できると気持ちもスッキリ。一日をアクティブに過ごそう、仕事も頑張ろう、そんな気持ちが自然とわきあがってくるのは、排便によって自律神経の切り替えがうまく行われた証拠ともいえます」

トイレの流すボタン
朝の排泄行為が自律神経のリセットに(Ph/photoAC)
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一方で、排便を含め毒素の排出がうまくいかないと、交感神経への切り替えができず、なんとなく調子が出ない、気分が乗らない、といった状態を引き起こしやすくなります。

「朝は腸の排便運動を妨げない食品をとることがポイントになります。その点、果物は理想的な食べ物です。なぜなら、果物には、酵素が豊富なため、消化に負担をかけず(消化を助けるといってもいいでしょう)、その結果、腸の排便リズム、排便機能が邪魔されないのです。体の自然な生理サイクルを狂わすことがありません」

果物は果物だけでとるのがおすすめ

消化に負担をかけず、生理サイクルを狂わせない、果物の朝ごはん。このとき、果物とほかのものを合わせず、果物だけを食べたほうがいいと宮島さんは言います。

「たとえばごはんやパン、肉などを一緒に食べると、でんぷんやたんぱく質の消化に時間を要し、その間、果物は消化を待たなくてはならないからです。このとき果物は腐り始めてしまいます。体は、食べ物に含まれる栄養素をすべて吸収できるわけではありません。果物にはさまざまな栄養素が含まれていますが、胃の中で発酵してしまうと栄養分が損なわれます。発酵するとガスが出る原因にもなります」

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